福岡市 障害者施設・労働者派遣業、介護事業所の開設・運用について
福岡市 障害者施設・労働者派遣業、介護事業所の開設・運用について
福岡市における「障害者施設」「労働者派遣業」「介護事業所」の関連性や、それぞれの開設・運用における重要ポイントを整理しました。
これらは互いに密接に関わる分野ですが、法規制や許可要件が異なるため、目的に応じて以下の視点での確認が必要です。
1. 障害者施設・介護事業所と「労働者派遣」の関係
福祉現場での労働者派遣には、法律上の明確なルールがあります。
- 事由による制限: 介護・障害福祉サービスにおいて、「訪問介護(ホームヘルプ)」への派遣は原則禁止されています(労働者派遣法)。一方で、施設内で行われるサービス(デイサービス、入所施設など)への派遣は可能です。
- 人員配置基準の遵守: 指定権者(福岡市)のルールとして、人員配置基準に「派遣スタッフ」を含めることができるかどうかが重要です。一般的には、直接雇用でなくても常勤換算に含めることが可能ですが、管理責任者などは直接雇用が求められるケースが大半です。
- 紹介予定派遣の活用: 直接雇用を前提とした「紹介予定派遣」は、人材不足が深刻な福岡市内の福祉事業所でも広く活用されています。
2. 福岡市での指定申請・許可窓口
各事業を開始・運営するための管轄部署は以下の通りです。
| 事業種別 | 管轄部署(福岡市) | 主な根拠法 |
|---|---|---|
| 障害者施設 | 福祉局 障がい者施設支援課 | 障害者総合支援法 |
| 介護事業所 | 福祉局 介護保険課 | 介護保険法 |
| 労働者派遣業 | 福岡労働局(厚生労働省) | 労働者派遣法 |
3. 福岡市における動向と注意点
指導監査の強化: 福岡市は介護・障害福祉サービスの指導監査に注力しており、人員基準の欠如には厳しい対応が取られます。派遣スタッフを活用する場合、契約書や勤怠管理が適切かどうかが監査の対象になります。
混合介護の検討: 自費サービス(保険外)を組み合わせる場合、労働者派遣の枠組みでスタッフを確保するのか、自社雇用なのかで、法人としての収益構造が大きく変わります。
◆「派遣事業」として福祉施設にスタッフを送り出したい(派遣事業の許可申請)
福祉施設(介護・障害者施設)に特化した派遣事業を開始する場合、通常の「労働者派遣事業」の許可要件に加え、医療・介護分野特有のルールをクリアする必要があります。
2026年現在の基準に基づき、許可申請の重要ポイントをまとめました。
1. 労働者派遣事業の「3大許可要件」
まず、派遣事業そのものの許可を得るために、以下のハードルを越える必要があります。
① 資産要件(最も高いハードル)
会社の財務状況が健全であることが求められます。
- 基準資産額: 2,000万円以上(1事業所につき)
※純資産(資産合計 - 負債合計)から「のれん」や「繰延資産」を除いた額。 - 現預金額: 1,500万円以上(1事業所につき)
- 負債比率: 基準資産額が負債総額の 以上であること。
注:小規模事業主(常時雇用する派遣労働者が10人以下)の場合、基準資産1,000万円、現預金800万円への緩和措置があります。
② 事務所要件
- 面積: 20㎡以上の事業用スペースがあること。
- 構造: 個人のプライバシーを保護できる面談室(パーテーション等でも可)や、鍵付きのキャビネットが必要です。
- 実地調査: 申請後、福岡労働局の担当者が実際に事務所を訪問し、これらの設備をチェックします。
③ 派遣元責任者の選任
- 実務経験: 3年以上の雇用管理経験(人事やマネジメントなど)があること。
- 講習: 申請前3年以内に「派遣元責任者講習」を受講している必要があります。
2. 福祉・介護分野特有の禁止業務とルール
福祉施設への派遣では、以下の法律上の制限に注意が必要です。
- 訪問介護(ホームヘルプ)への派遣禁止: 障害者総合支援法や介護保険法に基づく「訪問系サービス」への派遣は、原則として法律で禁止されています(直接雇用が原則)。
- 施設サービスはOK: デイサービス、老人ホーム、障害者入所施設などでの介護業務や生活支援業務への派遣は可能です。
- 医療行為の制限: 看護師を派遣する場合、病院や診療所(施設内の医務室含む)への派遣は、紹介予定派遣や産休代替などの例外を除き原則禁止されています。
3. 2026年の法改正と最新の注意点
現在の運用で特に意識すべき点は以下の2点です。
社会保険の加入要件(2026年10月~): 短時間労働者の社会保険加入について、「月額賃金8.8万円以上」という要件が撤廃される予定です。週20時間以上働くスタッフはほぼ全員加入対象となるため、コスト計算に注意が必要です。
障害者法定雇用率の引き上げ(2026年7月~): 法定雇用率が 2.7% に引き上げられます。従業員(派遣スタッフ含む)が37.5人以上の規模になる場合、自社でも障害者雇用義務が発生します。
4. 許可申請のスケジュール(目安:約3~4ヶ月)
- 事前準備: 派遣元責任者講習の受講、定款の目的変更(「労働者派遣事業」の追加)。
- 書類作成: 申請書、事業計画書、履歴書、事務所の賃貸借契約書などの準備。
- 労働局へ申請: 毎月、申請の締め日があります(福岡労働局へ提出)。
- 審査・実地調査: 書類審査と事務所への訪問調査。
- 許可証交付: 申請から通常2~3ヶ月後の1日付で許可が下ります。
行政書士に依頼する3つのメリット
派遣事業の許可は「書類の整合性」が極めて厳しくチェックされるため、プロに任せる価値は高いです。
- 「資産要件」の事前診断ができる 直近の決算書を見て、基準資産2,000万円等の要件をクリアしているか、足りない場合にどう補填すべきか(増資など)をアドバイスしてくれます。
- 福岡労働局との事前交渉を代行 事務所の図面やレイアウトが要件を満たしているか、申請前に労働局と調整してくれるため、実地調査での「差し戻し」を防げます。
- 添付書類の収集を丸投げできる 役員の住民票、身分証明書、登記簿、納税証明書など、平日に役所へ行く手間が省けます。
「福祉施設」として派遣スタッフを受け入れたい(人員基準の確認)
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福岡市 https://kyoninka-senmon.com/fukuoka/15300
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